矯正治療の本質は、咬み合わせにあります。
見た目をよくすることのメリットももちろん多くありますが、歯並びの悪さは審美性以前に
むし歯リスク・歯周病リスク・発音障害・身体の不調等の原因になることがあります。
また将来、残念にも歯を失って義歯やインプラント治療を受けようとする際に
歯並びを治さないと良い治療を提供出来ないケースもあります。
〜将来の自分が心身ともに健康であるために〜
〜笑顔でいつも明るい自分であるために〜
早い段階での矯正治療をお勧めしております。
矯正装置の種類
当院で行う矯正治療は、状態や年齢等により様々な方法で行います。
ここでは、矯正治療に使用する代表的な装置の種類をご紹介します。
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プラスチックブラケット
ワイヤー:金属
ブラケット部:透明
歯になじみやすくでメタルタイプより目立ちにくいのが特徴です。
ワイヤーが金属のため、矯正の効果にデメリットはありません。
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セラミックブラケット
ワイヤー:金属
ブラケット部:白色
見た目の審美性が高く人と接する機会が多い方にお勧めです。
プラスチックブラケット同様、矯正の効果に違いはありません。
矯正治療の流れ
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Step1
初診カウンセリング現在のお悩みや気になる点をお聞きします。
お話しと診察のあと、矯正治療の概略や大枠の費用・治療期間についてご説明します。
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Step2
精密検査治療計画策定に必要な資料を揃えます。
(頭部全体のX線撮影・歯列模型製作・口腔内写真等)
必要に応じて、顎関節のX線撮影・顎の動きの機能検査・CT撮影等を行います。
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Step3
検査結果説明精密検査の結果をもとに、治療計画・方針、治療期間・費用の詳細をご説明します。
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Step4
矯正治療前予防処置矯正治療中にむし歯や歯周病にならないように処置を行います。
今現在むし歯がある場合は、先に治療を完了させます。
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Step5
治療開始(動的治療)期間:半年〜3年程度
矯正装置を装着し歯を動かしていきます。
段階的に治療を進めていき、装置装着後3〜4週間ごとにご来院いただきます。
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Step6
保定(静的治療)期間:2年以上
動的治療が終了し歯並びが正常な位置になったら、咬み合わせが安定するまでの間、ワイヤー固定もしくは、リテーナーと言われるマウスピースを使用し、動かした歯をしっかり安定させます。
治療料金
※料金はすべて、税込表示になっています
- 精密検査
- ¥38,500
- スプリント作製
- ¥33,000
- 上下顎歯列矯正
- ¥825,000~¥1,045,000
- 部分矯正治療
(1ブロック) - ¥55,000
治療 症例(矯正)
症例1
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1.ClassⅠ (2014,07,26)
歯並びが気になるとのことで来院された女性。
セファロ分析の結果はⅠ級叢生でした。 -
2.COT
上下顎第一小臼歯の抜歯を行って、GUM METALワイヤーによる全顎矯正治療を行いました。
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3.ClassⅠ (2016,07,11)
動的治療期間は1年9か月でした。
症例2
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1.Class Ⅲ (2012,10,20)
左下奥歯の修復物脱離を主訴に来院された男性。
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2.補綴スペースの欠如
上の奥歯が、下の支台歯にかみこんでおり、補綴再修復に必要とされる、補綴スペースが存在しません。
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3.セファロ分析
セファロ分析を行った結果、骨格性Ⅲ級と診断しましたが、非外科矯正での対応が可能か否かを診査いたしました。
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4.咬合拳上 (2013,01,12)
スプリントによる咬合挙上を2週間行った結果、顎関節を含めて不快症状は発現しなかったため、咬合挙上が図れれば、非外科での矯正治療が可能であると判断しました。
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5.(2013,02,90)
下顎歯列にレジンキャップを装着し、全顎矯正治療を開始いたしました。
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6.COT (2013,08,03)
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7.(2014,04,05)
上下顎前歯の被蓋が獲得されたのちに、臼歯部の咬合を再構成していきます。
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8.(2015,04,11)
臼歯部が徐々に閉じていきます。
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9.(2016,05,21)
前・臼歯部の緊密な接触関係が得られた時点で、矯正治療を終了しました。
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10.ClassⅢ (2016,10,01)
動的治療期間は3年2か月でしたが、非外科矯正治療で咬合の再構成が図れました。
症例3
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1. Class Ⅲ (2013,04,22)
歯並びの改善を主訴に来院された男性。上下顎前歯はまったく咬合に参加しておらず前歯でものを咬み切れない状態でした。
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2. セファロ分析
セファロ分析、スタディモデル計測の結果、上下顎小臼歯4歯の抜歯が必要であると診断しました。
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3. レべリング開始(2013,05,25)
016NiTiワイヤーを装着し、レべリングを開始しました。
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4. 上下顎第一小臼歯抜歯
レべリングが概ね達成された時点で、上下顎第一小臼歯の抜歯処置を行いました。
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コントラクションユーティリティアーチ
コントラクションユーティリティーアーチを用いて、空隙を閉鎖します。
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6. 矯正治療終了時
矯正治療終了直前の口腔内所見です。上下顎前歯部の被蓋も獲得されました。
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7. 術後経過 (2020,08,22)
メインテナンス時の口腔内所見です。安定した咬合状態が維持されています。初診時に欠損を示していた左上第二大臼歯部へはインプラント治療を併用しています。
症例4
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1. Class Ⅲ (2013,11,27)
上下顎臼歯部の咬合痛を主訴に来院された初診時41歳の女性。初診時に主訴ならびにこれまでの治療経過を書面に書いて来院されました。
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2. 主訴
主訴としては奥歯全体がしみて、痛くて咬めず、ブラッシング時も痛いので、奥歯の神経を全て抜いて欲しい、というものでした。
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3. 初診時規格X線所見
初診時の規格X線所見からは、根管治療の不備は認めるものの前・臼歯部の支持骨レベルには異常所見は認めませんでした。
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4. パッチテスト(前医にて受診)
前医で受けたパッチテストの判定表をご持参いただきました。前医では金属アレルギーが原因であるとの診断のもと、臼歯部にはゴールドとセラミック修復を受けたとのことですが、臼歯部咬合痛はまったく改善されないとの訴えでした。歯ぎしりも原因の一つであるとの診断のもと、前医で作製したナイトガードを就寝時に装着しているとのことでした。
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5. ナイトガード(前医にて作製)
ナイトガードを装着していただくと、下顎が後方に誘導されます。いわゆる下顎後退位へ誘導されることで種々の問題を生じている可能性があると診断いたしました。
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6. Indirect Check-bite
インダイレクトチェックバイトとしてゴシックアーチトレーサーを作製し、口腔内で中心位を確認してみると、下顎が前方に位置することが判ります。つまり現在の咬頭嵌合位と中心位の間に大きなズレがあり、このことが咬合痛等の一連の不定愁訴を引き起こしている可能性が高いと診断いたしました。
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7. セファロ分析
セファロ分析、スタディモデル計測の結果、非抜歯にて咬合再構成が可能であると診断いたしました。
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8. レべリング開始(2014,02,26):GUMMETAL ワイヤー
患者さんはニッケルアレルギーを有していたため、金属アレルギーを生じないGUMMETALワイヤーを用いてレべリングを開始いたしました。
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9. #35 オープニングワイヤー
舌側転位を示す#35を歯列内に取り込むためにはスペースが不足しています。頬側にオープニングワイヤーを装着し、スペース確保を図りました。
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10. 上下顎臼歯部圧下
上下顎臼歯部にGUMMETALによる圧下力を加えるとともに、顎間ゴムを併用し下顎の前方移動を促しました。
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11. 全顎矯正 経過
#35も歯列内に取り込まれ、咬合状態も改善してきました。
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12. 全顎矯正 経過
上下顎前歯部の切縁位置関係からも、下顎が前方移動していることが判ります。
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13. 矯正治療終了時(2016,09,26)
矯正治療終了、補綴修復完了時の口腔内所見です。動的治療期間は2年6か月でした。この時点で、初診時の咬合痛や歯のしみる症状はすべて消褪していました。